店長コラムNO.5 夢と金縛りの関係

10月に見直す、質の良い睡眠習慣

10月に入り、空気が冷たく澄み始め、夜が長く感じられる季節となりました。涼しさが心地よく、ぐっすり眠れるはずのこの季節、ふとんの中のぬくもりが心地よく感じられる季節です。しかし、一方で「夢をよく見るようになった」「金縛りにあった」といった声が聞かれるのもこの季節の特徴のひとつです。

まず、「夢」や「金縛り」が起こるのは、睡眠の中でも「レム睡眠」と呼ばれる脳が活動している状態のときです。レム睡眠とは、脳が比較的活発に働いている一方で、体は深く休息している睡眠段階で、この時に多くの夢を見ます。

一方、金縛りは、レム睡眠中に意識だけが先に覚醒し、体がまだ動けない状態にあることで起こります。脳と体の覚醒のタイミングがずれることが原因で、不安や恐怖を伴うこともあります。

10月は、気温や日照時間の変化により、自律神経が乱れやすい時期です。特に朝晩の寒暖差が大きくなることで、体は知らず知らずのうちにストレスを受けています。また、夏の疲れが残っていたり、新しい環境(学校・職場)のストレスが積み重なっていたりすると、睡眠の質にも悪影響を及ぼします。その結果、レム睡眠が浅くなったり、睡眠周期が乱れたりして、夢を頻繁に見たり、金縛りに遭いやすくなるのです。

さらに、夏から秋への「寝具の衣替え」がうまくいっていない場合、体温調節が難しくなり、睡眠の質をさらに低下させてしまうこともあります。

特に注意したいのが、「寒さによる中途覚醒」と「寝苦しさによる浅い眠り」です。気温の下がる夜に、夏用の掛け布団のままでいると体が冷え、眠りが浅くなりがちです。その浅い眠りのなかで夢を多く見たり、金縛りが起こる可能性が高まります。

秋の夜長を快適に過ごすためには、「寝具の見直し」が非常に重要です。以下のポイントをチェックしてみましょう。

①掛け布団を秋冬用に切り替える

薄手から中厚手の布団へ。薄めの羽毛布団なら通気性と保温性のバランスが良く快適です。

②敷き寝具も見直す

冷えやすい床からの寒さを遮断するため、マットレスや敷きパッドを保温性の高いものにするのも効果的です。

③寝間着は通気性と保温性のある素材を選ぶ

綿などの天然素材がおすすめ。汗をかいても冷えにくく、快適な眠りをサポートします。

また、金縛りを予防するためには、寝る直前のスマートフォン使用やカフェインの摂取を控えるなど、脳に過剰な刺激を与えないことも大切です。ストレスや不規則な生活も原因になりやすいため、就寝時間を一定に保つことを心がけましょう。

夢や金縛りは、「疲れているサイン」や「眠りが浅くなっているサイン」として受け止め、自分の睡眠環境を見直すきっかけにしてみてください。10月は、1年のなかでも特に睡眠環境を整えやすい季節。静かな秋の夜に、自分を労わるような眠りを取り戻してみませんか?