店長コラムNO.2 あなたは夢を見る?みない?
こんにちは。店長です。
「人間は人生の3分の1をベッドのなかですごす」という言葉があります。
その「人生の3分の1」のなかで悩んだり考えたりしたことが表れるのが、夢の世界ということになります。
私たちの睡眠中の状態は、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類に分類されます。
この「レム(REM)睡眠」とは、「Rapid Eye Movement」の略で、睡眠中の眼球運動のこと。
眠っている人を観察すると、まぶたの下で眼球がピクピク動いていることがありますよね。
それが、レム睡眠の状態というわけです。
そしてこの眼球の動きは、私たちの脳が活発に活動していることを表しています。
つまり私たちは、レム睡眠の時に夢を見ているのです。
一方ノンレム睡眠は、そうした眼球の動きがない状態です。
ノンレム睡眠のときは肉体も脳も深い休息の中にあり、夢を見ることはあまりありません。
レム睡眠とノンレム睡眠は、個人差はありますが約90分周期でくり返されることが確認されています。
1日に8時間眠るとすると、私たちはだれしも毎日5回くらいは夢を見ている計算になりますね。
しかしそうした夢のほとんどは、記憶中枢のなかに保存されることなく、忘れられてしまいます。
ただ、起きる直前にレム睡眠の状態のなかにあったときにだけ、その夢を覚えていることができるのです。
「私はよく夢を見る」という人もいれば、「夢なんてめったに見ない」という人もいるでしょう。実は夢を見ないという人も実際には一晩に何度も夢を見ています。
ただ、起きる直前にノンレム睡眠の状態にあったか、起きると同時に夢を忘れてしまったかのどちらかです。
ときに「夢」は、私たちに有意義なアドバイスを与えるものとして、はるか昔から世界中のさまざまな歴史のエピソードで語られます。
とくに有名なのが、「新約聖書」のなかの聖母マリアへの受胎の告知の場面でしょう。
ある夜、眠っているマリア様の夢の中に天使が表れて「あなたは体内に神の子を宿している」と告げるのです。
その夢のお告げの通りに、聖母マリアはキリストを出産することになるのです。
また法隆寺の夢殿は聖徳太子が夢の中からインスピレーションを得るための瞑想空間だったともいわれていますし、「古事記」のなかにも夢に関する記述がいくつか出てきます。
さらに古代ギリシアでは病人が見た夢の内容をもとにして治療をするということも行われていました。
これらのエピソードからも、夢が古くから世界中で神聖視されていたことがうかがわれます。
2025年が皆様にとって、穏やかな睡眠と共に素晴らしい夢が訪れる年となりますように。どうぞ、よいお年をお迎えください。
(12月10日中日新聞三河一宮店販売店発行「コミュニティボード 快眠館店長の睡眠のはなし」より)