ストレスを抱えていると、なかなか寝付けない事があります。ストレス解消法のひとつとして『号泣のすすめ』を紹介します。

涙には、3種類の働きがあります。ひとつめは、目を保護するために常に目を潤している『基礎分泌の涙』です。パソコンのやりすぎなどで目が疲れると、基礎分泌の涙が減ってドライアイになってしまいます。

ふたつめは、目にゴミが入った時などに出る『反射の涙』。これは目に入った異物を洗い流すための防御作用の涙です。

そして、3つめは、悲しい時やつらいとき、あるいは感動した時に流す『情動の涙』です。これは、人間特有の涙です。この『情動の涙』こそが、ストレスを解消するカギとなります。

一般的にストレス状態というのは交感神経の緊張が高まった状態です。涙を流す「涙腺」は、副交感神経がコントロールしていますので、『情動の涙』を流している時と言うのは、副交感神経が優位になって、心がリラックスした状態ということなのです。『情動の涙』を流す行為は、スイッチを切り替えるように、脳をストレス状態からリラックス状態にシフトしてくれます。

こうして泣いた後、私たちはスッキリした気分に包まれます。『情動の涙』を流してスッキリするコツは、泣くのを我慢しないということです。できれば、思いっきり号泣した方がいいくらいです。

泣くことの正反対である『笑い』もまた、体にいい効果を発揮します。

お腹をかかえて大笑いすると、横隔膜や腹筋が動き、呼吸が深くなります。

いわば「内蔵の体操」をしているような状態です。酸素の消費量も増えるので血行が促進され、体温が上昇して、免疫力も上がります。

笑うことは免疫力をアップさせたり、呼吸器の機能を改善したりと、さまざまなメリットが知られています。また、ストレスホルモンを正常値に戻すことで、セロトニン分泌が増えるようになります。

セロトニンは、

  1. 脳を覚醒させ、意識をはっきりさせる。
  2. 自律神経をコントロールする。
  3. 筋肉へ働き替え、よい姿勢を維持する。
  4. 傷みに対する感覚を軽くする。
  5. 心のコントロールをし、平常心を保つ。

といった働きをしてくれ、こころと体を明るく元気にしておくためにも、とても大切なのです。

「笑う門には福来る」という言葉がありますが、「笑う門には健康がくる」

と言ってもいいくらいに、副作用のない薬と言えるかもしれません。

高齢者の施設や病院などで落語やお笑いなどのビデオを見せると、笑った人のほとんどが、その後精神的にも肉体的にも健康状態が向上していることが研究から報告されています。

笑うことのメリットは、自然に腹式呼吸ができてセロトニンの分泌を増やし、さらにストレスも発散してくれることなのです。

 (「セロトニン睡眠法」有田秀穂著/東邦大学医学部教授より)