夏の快適睡眠ポイント10ヵ条

夏こそ、寝る1時間半~2時間前に20分程度湯船につかる

就床前に入浴により深部体温を上昇させると、その後に体温は急激に降下します。このときに大きな熱放散過程が形成されていて、この熱放散過程が大きな眠気を誘導します。寝つきを早め、質のよい深い睡眠(徐波睡眠)を睡眠前半に集中させて、夜間睡眠を大きく改善してくれます。また、夏は室内にいることも増え、運動不足にもなりがち。エアコンのあたりすぎで汗腺の働きが鈍り、発汗による体温調節がスムーズにいかなくなる人も多くなります。お風呂に入って体温を上げ、しっかり汗をかくことで、新陳代謝を促しましょう。湯船につかる時間がないときには、足浴だけでも効果が期待できます。足浴は四肢の末端である足を局所的に暖めて、皮膚からの熱放散を高めるために、その結果深部体温が下がり、眠気を誘発する効果があるのです。

ベッドは壁から離して気流を確保し、寝る1時間前からエアコンをつけ、壁や寝具まで冷やしておく

夏は部屋だけでなく、壁の中まで熱がこもっています。寝るときにエアコンをつけても、涼しくなるのに時間がかかります。あらかじめエアコンをつけておくと、ふとんの中までヒンヤリして気持ちよく眠ることができます。またベッドを壁にくっつけて寝ると、壁に籠った熱が伝わって寝苦しくなるので、空気を循環させるためにも、壁から少し離しましょう。太陽の輻射熱対策として、日中の遮光カーテンの使用、住居周辺の水撒きや植物の栽培、住居内の気流の確保などがあげられます。

エアコンの設定温度は26~28℃、湿度は50~60%が理想的

夏は25℃くらいが快適ですが、外界との気温差が7度以上になると、人間が本来持っている自然な体温調節能力を弱めてしまうので、寝るときの好ましいエアコンの設定温度は夏ならば26~28℃、湿度は50~60%が理想的です。それでも寝苦しいようでしたら、エアコンンのメーカーや機種によっても設定温度と体感温度が違う場合もあるので、気持ちよく眠れる方を優先しても良いでしょう。

高温多湿でも頭を冷やせば眠りが改善

32℃湿度80%の高温多湿の中で普通に睡眠をとった場合と、冷却した枕を使った場合を比較したところ、冷却枕を使用した時に鼓膜温が低下し、身体全体の汗の量も少なかったという研究報告があります。これは、頭部の冷却が高温多湿条件下での睡眠を改善していることを示しています。アイス枕を使うか、枕の高さが変わることが気になる方は、乾いたタオルを冷凍庫で冷やしておいて、寝るときに枕の掛けるのも良いでしょう。市販のヒンヤリシートやジェルパットは、初めは冷たく感じても、蒸れやすいのでおすすめしません。熱伝導率が高く蒸れにくい、麻のカバーやパットはオススメです。

暑がりの人に温度を合わせて、寒い人が重ね着をするか、掛けるものを別々にする

パートナーと一緒に寝る場合には、暑がりの人に温度を合わせましょう。そのかわりに掛けふとんを別々にして、快適に寝られるように調節しましょう。

エアコンの風が直接当たらないように、扇風機やサーキュレーターを併用する

エアコンの風が直接あたると、体が冷えすぎてしまいます。扇風機やサーキュレーターを壁に向けて回して、寝室の空気を循環させましょう。

起きる30分~1時間前に切れるようにエアコンのタイマーを設定すると、寝起きがよくなる

良い睡眠を得る為には、寝入りばなの3時間をいかにぐっすり眠れるかにかかってきます。途中でエアコンが切れてしまうと、暑くなって睡眠の質が下がります。むしろ朝までエアコンをつけたままの方が快適に眠れます。エアコンをつけたまま寝ると、朝起きたときに体がダルイという人は、起きる30分~1時間ほど前にエアコンが切れるように設定しておくことをお勧めします。目覚める前には深部体温が上昇して起きる準備を始めます。寝室の温度が上昇するのに合わせて、体も自然に目覚めるのです。

パジャマは吸湿性・通気性の良い素材で、衿、袖、裾が開放的なものを選ぶ

Tシャツ短パンのまま寝るよりも、きちんとパジャマに着替えましょう。それがルーティーンとなって、脳が眠る準備をしてくれます。実際にパジャマに着替えて寝る方が、睡眠の質が上がるという研究機関の報告があります。化繊のものは避け、汗をしっかり吸って、蒸れない素材やデザインのものがおすすめです。

こむらがえり予防には長ズボンを掃き、寝る前にはコップ一杯の硬水を温めて飲む

睡眠中のこむら返りの原因として冷えや血流障害、ナトリウムやカリウムなどの電解質の不足、筋肉疲労などが挙げられます。足が冷えないようにパジャマは長ズボンにして、寝る前にはコップ一杯のミネラル豊富な硬水や、スポーツドリンクが効果があるようです。ふくらはぎを軽くマッサージしたり、ストレッチするのも良いようです。

敷き寝具やシーツに熱や湿気がこもりにくい素材と構造のものを選ぶ

寝ている間の熱や汗の7割は、敷き寝具側に逃げて行きます。接触面の大きい背中の蒸れを取り除く事が大切です。熱や湿気がこもりにくい素材としては、天然の『麻』が最適。麻の敷きパッドやシーツに換えるだけで、驚くほどサッパリ眠れますよ。接触冷感を謳った、ヒンヤリ系の敷きパッドは、④で述べたように、オススメはしません。

■睡眠相談所 お気軽にお越しください。

PAGE TOP